DTP Booster 014 参加レポート:1

2010年6月10日に行われたDTP Boosterに参加してきましたのでそのレポートと、今まで僕が電子書籍のことを調べてきて、いろんなトピックについてどのように捉えているのかを書きたいと思います。
DTP Booster

元年?黒船?大集合!

iPadの劇的登場や年内(?またはもうすぐ)リリースと予想されるKindleの日本語化やiBookstore日本語版スタートを受けて、電子書籍元年と言われています。出版社、著者、WEB制作会社、アプリ開発者、広告代理店、フリーランサーが電子出版の動きに注目しています。

iPadの凄さ、音楽がiTunesにやられたことが出版でも起こるぞ的な黒船が来たぞ文脈、Apple/Amazon/Googleの戦争的な様相のなかで、今回のイベントには出版・DTP関係者とネット関係者というある意味両極端な業界の法人・個人が400人以上の大集合をしていました。

イベント風景
[撮影:日高 仁、飯田昌之]

「InDesignをコアとした電子出版に関しての「全部乗せ」的なイベント」と銘打たれているだけあって、登壇者には、

  • いち早くiPadアプリや電子書籍を投入している出版社による事例のお披露目
  • DTP業界向けのAdobeを含むソリューション提供企業の営業
  • DTP/WEBの制作者による電子書籍発行に関わる技術的な試行錯誤のレポートとレクチャー
  • 出版社社員による業界分析、現役編集者による「印税70%だから新規ビジネスイケるぞ」的な数字へのかなり厳しい視点開示

など全部乗せな人々/トピックが出揃っていました。

また、イベント後の懇親会にも参加しました。

そこでは、イベント主催者の鷹野さんやDTP関連の企業の方、出版社の方、印刷会社の方と話をする機会を得ることができ、そこでも色々と示唆に富んだ話を伺うことができたので、そのこともレポートしたいと思います。

僕はここ何ヶ月か、電子書籍についてウェブや書籍をたくさん読んできており、いろいろ考えて、妄想してきました。それをもとにして、このイベントに参加してどう感じたかという視点なので、客観性としてはきちんとしてないところもあると思います。

まだまだ始まったばかりの分野でいろんな情報がバラバラに出てきていますし、難しいですよね。楽しいと思います。

この記事で書いたこと

  • 登壇者の講演内容の3行(3文)まとめ
  • プラットフォーム/端末/フォーマットはどうなるのか。
  • それぞれのフォーマットの役割
  • WEBの側から見た電子書籍/出版界からみた電子書籍
  • 各種端末やフォーマットに対応する技術とワークフロー(*後で詳述)はどうなるのか
  • ビジネスモデルは?
  • 電子書籍はWEB化するのか。そもそもインターネットとはなんなのか。
  • テキストとは何か
  • ユーザはどのようなものを受容し、5年後に一般に普及しているものはなんなのか。そもそもコンテンツとは何か。
    →エクスペリエンスとコンテンツ受容の違いを抑えて考える

登壇者の講演内容の3行(3文)まとめ

*僕のメモと記憶をもとにしてます。まちがっていたらご指摘ください。
*また、ちくちく日記にて、分かりやすくてきちんとしているレポートがあるので合わせて読んでください。

1:キーノート 毎日コミュニケーションズ/小木昌樹さん

  • 出版社の売上は96年をピークにずっと下落し09年には2兆円を切り21年前(89年?)の水準になったという危機的状況
    (ちなみに21年前というとちょうどDTP(DeskTopPublishing)が始まり大変革と受け止められたという意味で示唆的)
  • 90年に起きた出版の大変革=DTPの登場は、デザイン・出力(=印刷製版とか)・写真・デリバリ(ネットで入稿とか)面でのデジタル化を引き起こし写植屋を廃業に追い込んだりしたが、それは本の制作に関わる人達だけの間での事件に過ぎなかった。
  • それに対して2010年の今起きようとしている変革は、コンテンツ・アウトプット・表現がデジタル化されるという意味で読者を含めたすべての人を巻き込んだ変革であるのですごい。

2:電子出版を理解するための5つのポイント 週刊イーブックストラテジー/境祐司さん

  • 5つのポイントとは、1フォーマット、2リーダー、3プラットフォーム、4ワークフロー、5プロデュースである。
  • フォーマットには.epub、.book、PDF、アプリ、azw、XMDFとか色々あるが、コンテンツの特性によって使い分けることが大事だし、一方ひとつのコンテンツを複数のフォーマットで供給する(=ワンコンテンツマルチフォーマット)も大事で、そうなってくると、コンテンツを効率的に各種フォーマットに落とし込んでいくためのワークフローが非常に重要になってくるわけで、素材(抽象的なコンテンツそのもの=文章とか写真とか)とフォーマタイズされた(?)最後のアウトプットの中間にくる中間フォーマット・汎用フォーマットが大事で、そこの部分だけは業界標準を作ることが必要である。
  • 出版業界の動き、DTP技術、WEB技術、海外の動きに詳しい人はたくさんいるが、全体を俯瞰出来ている人は少ない

3:WoodWingプラグイン WoodWing / Joel Ingulsrudさん

  • この会社が提供しているAdobe InDesignの企業向け超高機能プラグインWoodWingは、電子出版のプロセスである工程管理、マルチフォーマット対応(アンドロイド含む)、情報管理、一部プロモーションをデータベース連携や様々な変換機能により一括で管理できる超スグレモノ
  • 日本ではphotoJや他の何か(忘れちゃった)にも採用されている。
  • 企業向けなので個人には手が出ないし、必要もない。

4:ProBridgeDesigner-i プロフィールド/宮本弘さん

  • 高機能アプリにより読者にリーダーを提供しつつ、InDesignで制作したコンテンツをAppleを介さないサーバから供給することで検閲を介さず読者に課金しつつコンテンツを供給できる。
  • なので、DTP的手法(InDesign)とインタラクティブ(Objective C他のプログラマブル技術)の両立ができて、今の出版社にとっても向いている。
  • 質疑応答では、FLASHにNGだけどInDesignは(コンテンツだけだから)OKってことだけどアップル的に後出しNGを出される可能性についてどうなの的な問いが出ていた。

5:アドビDigital Publishing PlatformとWIREDアプリ

  • WIREDがすごいわけだけど、こういうことができるシステムをアドビ本体が提供しつつある。
  • かなりの企業秘密なんだけど、思い切ってスケジュールとかワークフローとかも少しだけ紹介するよ。
  • 夏ごろ、LabにてInDesign→アプリを書き出せる何らかのソリューションを出します

6:InDesignから書き出すEPUBをコントロールする InDesignの勉強部屋/森裕司さん

  • InDesignからEPUBを出力する際の注意点には、新規書類の設定、画像フォーマット、ファイル名やスタイル名を英語にしておくなど色々ポイントがある。
  • 段組/マスターページ/索引とかはNGだったり、中身が変換される(inddデータからxhtmlが吐き出される時の)順番が色々あったり、本文に与えられるcssのclassを意識する必要があるなど、変換を意識した形でInDesignレイアウトをする必要がある。
  • 書き出されたEPUBデータもそのままでは使えないので、cssをいじったり表組調整したりiTunes上で表紙をつけたり調整する必要がある。

7:新しいメディアの開拓〜photoJ.創刊のプロセスと今後の発展〜 クロスデザイン黒須信宏さん

  • photoJ.はすごいよ。
  • iPadに提供するコンテンツはiPadに適した形にする必要がある。
  • 7月1日に次の号がでるので買ってください。

8:成功する電子書籍ビジネス/ビジネスの立ち位置が天国と地獄を決める メディアナレッジ/田代真人さん

  • 70%の印税だ!的な流れがあって配分率の変化がステークホルダーに様々な影響を与えると言われているが、実際に単価や販売部数、その配分を計算すると、出版社、エージェント、著者、周辺ビジネスの全ての人々にとって超厳しいというのが現状である。
  • 立ち位置をどこにとるかが重要。著者?エージェント?周辺ビジネス?
  • (時間切れ)このことをまとめた本があるので買ってください(僕買いました)。

受講生たち
[撮影:日高 仁、飯田昌之]

プラットフォーム/端末/フォーマットはどうなるのか

*ここからは僕の考えです。ご参考まで。

プラットフォーム:

プラットフォーム=供給システム+検閲などの思想+課金システム+端末+フォーマット」という理解でいいんじゃないかと思っています。

Apple、Amazon、Googleがあるけど、日本ではまだどれも始まっていない段階。

アメリカの様子はよく見ておきたいが、今のところApple vs Amazonが端末・価格・著者囲い込みなどで戦っている最中であるが、Googleの参入(とAndroid本格登場の組み合わせ)によって、どうなるものかよく分からないです。最終的にはここで買ったところが覇権を握ることになりそうです。

端末まとめ:

  1. iPadは凄いといわれていてみんな熱狂気味。電子書籍リーダーなだけでなく色々できるところがKindleや年内くらいに出てくるであろう和製リーダーや日本の電子書籍が始まったときに流入してくる外国製リーダーと違うところ。あとプラットフォームと一体になっていて、検閲とかもしちゃってて色んな意味ですごいです。
  2. Kindleは白黒、電池超長持ち、端末だけあればすぐ本が買える、一回買えばiPhone/iPad・PC・Mac・アンドロイドPC/携帯とか色んなところで同期的に読めるという意味でクローズドフォーマットな割にDRMの害悪がない、目が疲れない、軽いというのが特徴。大事なのは「Kindle=電子化された本(読みやすさ的な意味で)+Amazonなのでなんでもすぐ買える」。
  3. その他これから続々登場するであろう電子書籍リーダー端末は、おそらくEPUBサポートでPDFも読めてもしかしたら独自DRMとかをかけたコンテンツの配信もやるのかな、くらいの印象。ヨドバシカメラとかのiPadコーナーのちょっと奥目のところで並んで売られて価格競争とかするイメージ。国内の諸団体が、メーカーと組んで作るものも全部ここにひとまとめ。
  4. Android搭載のネットに繋がる端末が出てきて、Googleと組み合わさってすごいことになるのか、そうでもないのか、予想がつかないです。Googleの特徴はクラウドで本を読ませるということ。これがどう響くのか。広告だけでいいと思ってそうで強そう。プラットフォームとしては、どの端末でも読めることは強み。
  5. PC、携帯とかでもEPUBとかPDFとかが読めるようになってくるだろうけど、専用端末に対してどういう意味を持つか。特に日本のガラケー。

フォーマットはどうなるのか

フォーマットは大きく分けて、

  1. epub、azw等のリフロー系/リキッド系:文字の拡大縮小ができて、それにしたがってページ数が変わる(ページという概念がちょっと緩い)
  2. 画像:ラスタライズ系(要は写真。JPGとか)、ベクタライズ系(拡大してもギザギザにならない関数処理の画像。PDFとか)があって、どっちもページ概念ある
  3. アプリ系:プログラミングが入るので、動画、グイングインした動き、アプリ内課金、ブラウザ内蔵など、要するに何でもできる

がある。フォーマットについて考えるべきポイントは、

  • コンテンツによってどれが適しているのかが変わる
  • EPUBはオープンなフォーマットなので色んなプラットフォーム、端末でサポートされる(ただし、同じEPUB採用のiBookとソニーリーダーでは異なるDRMを欠けているので、どっちかで買ったやつを両方で読めるわけではない。DRMのかかっていないEPUBならどこでも読めるけど)
  • 画像は読みにくいけど、デザインは崩れないのでいいところもあるし、文字がある程度大きければそれでよくない?的な面もある。
  • アプリは何でもできるけど、端末ごとに作り直しになるし、OSのアップデートにともなってサポートが必要になるし、コストもすごいことになる

それぞれのフォーマットの役割

それぞれのフォーマットには適不適があるので、それについて考える。

epub、azwなどのリフロー系:

文芸、新書、文庫など文章主体のもの。図版はあんまり多くないもの。
リフローする=ユーザが文字の大きさを自由に変えられるのがいいところで、目が悪くても字を大きくできるし、PDFを拡大して読むみたいに「拡大→スクロール→戻す」みたいな作業がいらないので、文章を読み味わうことに集中できる。

その代わり、紙の本みたいにデザイナーが意図した位置に文章や図版を置くことができない。つまり、大きな図版を含むウェブページを印刷した時みたいに、画像が切れたり画像が次のページに行ってしまって文章とセットなのに読みにくい状態とかが起きる。海外ではその辺を計算してうまく設計しているものもあるらしいが、ユーザの文字の大きさや行間設定、ことなるリーダーによるcss解釈の違いがあるので、かなり難しい。

cssでwidthを指定すれば横に並べることもできるが、それってEPUBのフォーマット設計思想にあってないわけで、誰も喜ばないのではないか、という論調。

この辺は、そもそも(x)htmlというEPUBの親分が、文書構造を示すために作られているところから来ているので無理もないし、そこを無理してガチガチレイアウトをするっていうのは、htmlで全面テーブルレイアウトするみたいな無理矢理さを醸しだす、ということだと思う。

画像系:

雑誌、写真集、美術書、図版と文章がペアであることが肝な本など。
画像にしてしまえばレイアウト崩れは起きない。たとえばiPadに最適化された文字サイズで作るなどすれば、かなり普通に読める。
その代わり、A4サイズくらいの雑誌でもそのままPDFにすると読みづらいので、売り物にする/リーダビリティに気を付けたいという場合にはレイアウトのし直しが必須で、これはかなりの作業量になる。InDesignからそのままPDF書き出しだと、大したものにはならないだろうという感じ。

アプリ系:

動画を持たせたい、課金したい、ブラウザ機能持たせたい、ゲームさせたい、グイングインのすごい効果を持たせたい、奥行き(ページ遷移的な意味で)を持たせたい、とにかく凄くしたいなどiPadなどの端末の持つ機能をフルに活かしたい場合。コストの回収ができるのであればやってよい。

考えたいこと:

アリスのアプリのすごい効果があるとか、それが読書を楽しむということに対してどういう意味を持つのかを考えたい。
「一回驚いて人に自慢したらそれで終りじゃないですか?」という問を立てて、「いや、もっとこんな楽しみ方がありますよ」と答えられるようにして初めて採用するべきだと思う。

言い方を変えれば、視覚的にすごいだけでは飽きられるのではないかということ。

「本を読む」という行為は、かなりの部分脳の中で楽しんでいるわけで、身体が介在する余地がどの程度あるのかを今後も考えたい。

iPadの持つ「指で情報に触れる」感覚というのはすごいもので、もちろんすごい価値があるんだけど、「読書」ということを考えた場合に、超リッチなUIというのはどのくらい意味があるのか。そういう意味で、もし、アプリを作るということであればギミック的なことをやるのではなく、フォント字間縦書き禁則処理とかに気を使った方がいいのではないかとも言える。

これは、「電子書籍」と一言で括りながら実はその中に、文芸も雑誌も新聞もアリスも全部引っくるめてそう読んでいるために、また、iPadの機能の衝撃が大きいために、なんかこんがらがっちゃったっていうだけな気がしてくる。

今日の懇親会でお話した三人の女性は、技術に詳しくないためか、「本っぽいインターフェースいらなくない?」「一回楽しんだら終わり」「もう飽きた」と確信を持っておっしゃってました。あまりの確信ぶりに、ちょっと熱狂しすぎたかなと冷静になりつつ、世の中の大半の人達の反応というのは、こういう感じなんだろうというふうにも思いました。

WEBの側から見た電子書籍/出版界からみた電子書籍

・WEBから見ると

僕はウェブをやっている人間で、html/cssとかCMSとかECとかそういうことが分かるし、php、jQueryなどのプログラムもちょっとだけ分かる。それからtwitterやSNS、ソーシャルブックマーク、ブログとかにも親しんでる。そういう立場から電子書籍を見ると、「出版社大変そう」「技術はどうなってるのかな」「ソーシャルなマーケ大事」「ポイントは課金だよね!」とか思うわけです。

そして、今まで手の出なかった「本」というコンテンツに手を出せるかもしれない、自分たちでやれるかもしれないと息巻きたくなる。出版社界隈が抵抗したり自分たちの変なルールを作っているのを尻目に、ガンガンやってやろうか、という風に思い始めている。

だから同時に、出版関係の人たちに対しては彼らが自分たちのコンテンツを必死になって守るのではないか、日本の電子書籍の流れを海外とは大きくかけ離れたガラパゴス的なものにしてしまって発展を妨げるんじゃないかみたいな不安感を抱いているように思います。

その不安というのも、小さい自分たちが大きな出版社を見上げる感じで、でも少し意地悪く見守っているという雰囲気を感じます(僕だけ?)。

一方、本を作ったことがないので、本づくりをなめているところがあるし、それを自覚した人は編集の人を探そうとしたりしている。コンテンツをもっていないのが一番の弱みで、電子書籍について(Apple/Amazonの争いについて、WEBの未来について)語ることはできるけれども、動くとなると資本力や政治力や人脈が圧倒的に足りていなくておまけに本づくりについてのノウハウもないので、なんか入り込めるすきを探しているよと。

・出版界から見ると

伝聞とほんの少しのあったことのある方々から受ける印象ですが、黒船としてみているのは上層部の人たちとDTPの作業を行っている業者さんだけなのではないでしょうか。

出版界と言っても中にはいろんな人達がいて、例えば上層部の人たちとしては、取次を中心に据えた金融のようなビジネスモデルが崩れれば(もう崩れかけてるけど)、会社が潰れてしまうわけで、それは怖いのかもしれない。それから50代くらいの人たちとしては今更新しい価値観や技術についていく自信がないので潰したいかもしれない。

他方、若い人達は活躍の場を見つけたいと思っている人も多そうだし、どうせこのまま言ったってジリ貧なことは分かっている雰囲気を感じます。ただ、上が動かないと自由がなかったり、今はまだプラットフォームもフォーマットも決まらない中、拙速に動くのは下手な博打になりそうなので情報を集めたり実験を少しだけしている段階だったりしているのでは。

一方、WEBに対しては技術的にも思想(?)的にも不安なところもある。技術が分からないし進歩のスピードも速かったりする。ツイッターを始めとした、やってないとよく分からないWEB的なつながりに対する漠然とした不安感みたいなものもあって、それが黒船感を大きくしている感じもあるのでは。外国も怖いけど、国内のインターネット人も怖いという。。

ただし、出版の人たちが電子書籍とWEB(技術)を同一視しているかというとそうでもなくて、割とDTPの範囲内でできそうデジタル化されるくらいで流通とマーケティングが変わるくらい?と思っている節もあると思う。それは、半分正しくて半分間違っている。

正しいのは、技術的にはDTP的な技術は必要になるし、ある程度それだけでもいけるようなツールも出てくる。また、勉強するにしたってたぶんほんのちょっとやるだけ(2日とかですよ)で大丈夫だし。

間違っているな、と思うのは電子書籍にはやっぱりウェブ的な面があり、それは画面の奥のネットワーク、網としてのWEBなはずなわけです。海外の事例では電子書籍から好きなところをコピペしてそれをフェイスブックのファンページに送ってシェアできるようなアプリがあると。ファンページでは誰でも好きに読んだり質問したりできるので、そこが販促の場になったりしている。

コピペできるということは結構大きくて、シェアできるということに繋がる。そうなると、今のファンページだけではなく、いろんな可能性が広がってくると思うのです。クリエイティブ・コモンズ的な動きだったりマッシュアップ(古い?)だったりといった引用や批評、カスタマイズや再編集という紙では考えられなかった地平に飛び込んだという意味を持つわけですよね。

そして検索に乗るというのもすごく大きくて、そういう巨大なWEBに本が載るということを考えると、画面の綺麗さだけを考えて作った本というのは電子書籍にする意味の半分位しか背負えていない残念な本になってしまうのではないでしょうか。
出版の方々への無理解があったらごめんなさい。

言い換えると、佐々木俊尚さんが言っている、コンベア・コンテナ・コンテンツっていうのは届くまでのところで、本当はコンテンツが読者の手元に届いてからのこともちゃんと考えた方が良くてそれを意識して本づくりをしたらいいよね、ということです。

続きはまた後日。

長くなってしまったし、大変でしたのですみませんが、続きはもうしばらくしてから書きたいと思います。

また、DTP Transitで他の参加者の方のブログも紹介されていますので合わせてどうぞ。

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