WordCamp Tokyo 2011が終わりました。ブログを書くまでがWordCampということで、気合を入れて書きます!
この記事の位置づけ
僕は、当日の会場係として全体を取り仕切る役割をやらせてもらいました。
セッションは、まだ見ていないので、僕の手元に今ある財産である、運営についての経験を共有することで、振り返りブログとしたいと思います。次回以降のノウハウとして残ってほしいので、細かなことまで書いています。ちと長いです。
イベント運営もオープンソースに!ということで、次回以降に活かしてほしいです。
写真、色々お借りしました。
@odyssey、@makegoodtime、TAKA@P.P.R.Sさんのものです。ありがとうございますm(_ _)m。
www.flickr.com/photos/tags/wctokyo2011/ で色々見れます。
イベントの概要
- 事前申込み者数
- 1250名。上限に達したため募集締め切り
- 参加者数
- 800名超。
- スタッフの人数
- 39名
- 会場
- 楽天タワー二号館
- 開催日時
- 2011年11月27日日曜日。9:15開場、17:35閉会
- 公式サイト
- http://2011.tokyo.wordcamp.org/
メンバーと役割について
まずは、どんなメンバーがどのような役割を果たしていたのかをご紹介して、詳細を把握できるように書きます。
チーム東京と横浜。WordPress日本語版作成チーム
昨年のWordCamp横浜の実行委員長だった@jim0912や日本語版制作チームの@odyssey、automattic社の@naokomcをはじめとして、WordCamp横浜の運営経験者やもっと前からのWordPressコミュニティ参加者が多く参加しました。
やったほうがいいこと、やらなくてもいいことを経験を元に共有してくれて、課題を上げては潰すのサイクルがすごい速さでした。判断も正しくなります。
また、WordPressのコミュニティに初期から関わっている人が入っていることで、イベントの方向性が明確になりました。
今回、一番広いメイン会場は、「ユーザー・ブロガートラック」となりました。デザイナーやテクニカルではなかった。このトラックに揃ったセッションも多様なものになっています。
そこには、WordPressのコミュニティにとって、今何が一番必要とされているのかを捉える目線が反映されているのではないでしょうか。
今回の運営委員長の@waviaeiと、あちこちでやたらと多くの役割をこなしていた@kai4denも、委員長/ブロガーとして、(テクニックばかりに寄りがちなカンファレンスを少し離れるための)視点の提起をしていたのが印象的でした。
@naokomcと@waviaeiが、登壇者のこもりさん(@cipher)に講演をお願いした時の経緯が「ありがとうございました、のWordCamp Tokyo」に書かれています。
そんなことがあったんですね。テクニカルトラックも、すごいバランスになってましたので、今から見ないとと思ってます。
小さな勉強会を開いて、みんなで成長していくとだんだんと全体の技術レベルが上がっていき、新しい人が参加しにくくなるというのはどこの技術系コミュニティも同じみたいですが、そういうことが起こらない(ように気をつけている)というのはWordPressコミュニティの懐の広さですね。
昨年のWordCamp横浜の時は僕もド級の初心者でしたが楽しめました。
人数が千人を超えるようになると、技術の日、ユーザーの日、デザイナーの日などと開催日を分けたり、または会場を分割して実施するという議論があると思いますが、初心者であっても「そういう技術分野があるんだ!」と知ったり、技術力が高くなってきても「新しく導入する人は、こういうことを望んでいるのか」「ブロガーやっぱすげ〜!」と感じたりすることは有意義なので、やっぱり一箇所でやるのが個人的には理想だと思っています。
出会いの多様性も広がりますしね。
楽天のスター2人とチーム楽天
オレンジTシャツの当日スタッフの中に、実は9名の楽天社員がいました。
中でも@daipresentsと@yandoという楽天の男たちが仕事ができすぎてヤバかったです。
前日の設営時に「こういうのあるといいですかね?。。(作ってくれないかなぁ)」って言うと「一応作っておきました」とか、どういうことですか。。。
会場のことをよく知っていて、会場管理者(今回は楽天(株))との折衝をやってくれる人は重要でした。会場の特性を踏まえて色々指摘してもらったり、会場との確認、交渉などをしていただきました。
受付や誘導のための掲示物も作り、適切な箇所に掲示していただくなど、単なる会場提供者の枠は、完全に超えて、コアなスタッフとして助けて頂きました。
僕は公募の当日スタッフの配置を決める、@daipresentsと@yandoはそれとは全く独立に楽天が必要と判断する場所にチーム楽天を配置するというやり方にしてもらいました。
当日参加の楽天スタッフの皆さんもありがとうございました!チーム楽天がいなかったら、どうなっていたんでしょう。。。ヤバかったですね。。
@daipresents / WordCamp Tokyo 2011 スタッフの歌声よ響け! #wctokyoが熱いです。
ネットワーク分野/UST
僕は全く知らなかったのですが、今回のネットワークを設定した@yorozuの技術はすごいものだそうです。
また、 @bluemooninc、@k_mikage、@nakachonのUST配信のための機材設営も専門知識の塊だったそうです。
LANケーブル延ばして挿せばネットに繋がると思っててすみません。カメラをネットに繋げば簡単にUST配信と録画できると思っててすみません。
「ついでに場内放送とスクリーン&プロジェクタあたりもお願いします」って簡単に言ってしまって、本当にすみませんでした><。
スタッフ/UST/登壇者があの広い会場でネットを使うとなると、専門の技術が必要ということは、知っていたほうがよかったです。インフラは目に見えないしWebと関係しているようで技術の内容は僕のように分からない人もいっぱいいますので、チーム全体にやっていることを理解してもらうことが必要だと思いました(あとあと聞いたら分かってる人もいましたが)。
今回は、ネットが切れることもなく、USTも許可が出たものは全てが配信録画され、イベント翌日には余分がカットされた形で録画がきちんと配信されました。
タイムテーブル | WordCamp Tokyo 2011にまとまっています。
ネットワークとUST設置の裏話は、kmikageのぽてぽてしたブログに報告されています。最後に僕と「和解」とありますが、別に喧嘩はしていませんw
スポンサー係、会計
今回、36の個人と団体の方にサポートをして頂きました。
そのみなさんへのお願い・連絡・調整、また、その後の会計処理を中心的にしていたのが@khoshinoでした。
この作業も僕らには見えない所での作業が多く、また機材や会場設営とのやりとりしないと進まない中で、多くの連絡調整があったようです。安定の星野さん、さすが会計畑の出身です。そして、当日ギリギリまでスライド作成作業をされていた姿は忘れません。
また、星野さんには会議場所も提供してもらって、これがまたよかったです。お金をかけずに使える場所は大事でした。
スタッフリレーブログの星野さん担当回エントリも併せてどうぞ。すごい熱量&文字数です。
WordCamp Tokyo 2011に参加すると、きっとある良いこと。
受付
今回の当日の目玉は、受付・チケット交換・1000人誘導でした。
まず、受付について。
今回の楽天さんではスタッフ・スポンサー含めて社員以外は全員ゲストカードの着用が必須、また、ゲストカードを紛失してしまうと、以後、この種のイベントに会場を提供されなくなってしまう恐れがありました。
そのため、楽天タワー二号館の2回にある受付は
- 終日、張り付きでスタッフが配置されないとダメ
- 途中外出のつもりがそのまま帰ってしまうのもダメ。外で無くしてもダメ
- お昼は、外に出る人中に戻る人という両者が出てくるので人を増やす
- 懇親会時にもスタッフがいるようにする
などの必要がありました。
受付のリーダーを担当していた@kana_koは、マニュアルの作りこみを行い、当日も懇親会含めて上の階に行くことなく、完全に仕切っておりました。
結果、受付カードは場内で紛失された1枚をあとから見つけたのも含めて、全て回収することが出来ました。当日スタッフもすごかった!
それと、参加800名超の参加者中415枚と驚異の回収率のアンケートも出口待ち構え作戦のおかげだと思います。お疲れ様でした!
チケット交換所
次の目玉であるチケット交換について。
まず、チケットの販売については、Peatixという事前支払いを受け付けるサービスが利用されました。
- Camp自体への参加(これは無料)
- お弁当(500円+お茶100円)
- 懇親会参加者(3000円)
の申し込みと入金を受け付けられるイベント開催者用のシステムです。
支払者の当日確認は、2階のビルの受付ではなく、7階の会場内に専用ブースを設けてそこでチェックインしてもらうことに。これは2階の作業負荷を減らすためでした。
Peatixには、チェックイン用のiPhoneアプリが用意されているのですが(運営者側がiPhoneからログインして送られたメールについているQRコードを読み込む)、結果的には、ダウンロードしたCSVファイルを@yorozuが加工し、GoogleDocsで複数受付を設けるという運用になりました。
当初、
- お弁当チケットと懇親会チケットの交換所は別々にしてリストに載っている人数を減らす。両方申し込んでる人は二度並ぶ
- メール画面がある人はiPhoneアプリで対応して、ない人はGoogleDocsにする
- メール画面がある人は整理番号でGoogleDocs対応して、ない人は名前とメールアドレスで照合する
- Excelで紙でやる
などの方法も検討されましたが、
- チェックインが一元管理かつ同期できること
- スタッフが入れ替わるのでシンプルであること
- 検索すれば速いかな
ということで最終的にGoogleDocsのスプレッドシートに落ち着きました。
ここは、@maakoと@yorozuに全面的にお任せして、実行して頂きました。
即時に交換枚数を教えてくれるなど、当日のアナウンスに繋がる情報をドンドン出してくれるなど、どうもありがとうございました。
誘導
会場外の誘導は、楽天の一号館に行ってしまう人が毎回出るということが分かっていました。ですが、事前にお知らせをマメにするのと、一号館前に間違えた方へ向けた張り紙をすることのみに対応を絞りました。
人を置くと派遣されたスタッフが寂しすぎるのと、来場者も大人なのでそこはその人達の責任で、という割り切った判断がありました。実際、ほとんどの人がうまく来られたのではないかと思っています。IT系イベントでみんなちゃんと見てる&スマホの地図が役に立ったのではないでしょうか。
(逆に、当日搬入する業者さんが、迷って辿りつけないということがありました。こちらにも気を回すべきでした。)
会場内の誘導については、チーム楽天、パーテーションも担当した@kai4den、などと少しずつ確認を重ねて、導線を広く取る、入り口を限定する、お昼や懇親会前の大移動時のみに人を配置するということになりました。
当たり前かもしれないですが、移動のポイントポイントにスタッフが立ち、同じことを言い続けるということが大事だと思いました。
本来細かく台本があるといいのでしょうが、それはできず、直前にお願いして立ってもらって、一人ひとりに言ってもらう内容を口伝えする、という風になってしまいました。
あとは、人が並んで待っている時、列が進まない時に、なぜ進まないのかといつ頃進むのかを伝えるようにしました。最後のライトニングトークが終了したあと懇親会への誘導を始めてしまったあと、実は準備が整っていなかったことが分かったタイミングがあ人ました。
その時は「実は準備ができていませんでした。7回の会場も入り口に人がいっぱい集まってしまったので、このまま廊下で10分待ってください」と伝えました。みなさん「はーい。大変だね頑張ってね」と言ってくれて、有りがたかったです。事実をそのまま伝えるというのが大事なのだと思います。
最後に、楽天さんからは緊急連絡先をもらっていて「最悪なのは、ぜんぜん違う階で人が倒れているとかそういうケース」とFacebookのグループに書かれていた時はビビりました。
たくさんの来場者が来て、場内を移動して、最後まで何もなくお帰り頂く、というところまで、大きな事故がなく済んだのは本当にいろんな人たちの力が集まって、来場者もすごく協力的でできたことなんだなぁと、振り返っています。
制作物
- ウェブサイト
- @terkel、@understandard、@MakeGoodTime
- 当日パンフレットや案内掲示物、交換チケット
- プライムストラテジーの@jim0912、@makito_th
- スタッフTシャツ
- @uetsuhara
- わぷーおじさんひどい
- 中の人などい(ry
→ ん?
- facebookページ
- @kai4den
全員が普段からモノ作りをしているだけあって、要件出しから実際の制作まで、ものすごい大丈夫な感じで、いつもこんな風に制作が進めばどんなn(ry
僕はほとんど関わっていないので、誰かが書いてくれるはず!
全部のクオリティが高くて、腕の見せ所っていう感じだったのかな。
我らがnaoさん
笑顔でいると怒る人もいなくなるというnaoさんの魅力については、こちらの当日来場者で歯科大学の学生さんによるnaoさん絶賛記事をご覧いただきましょう。
顔が広い、人をアサインする、やる気にさせる、事務もやる、動きまわるという普通にデキル人でした。
こういう人が組織の中にいて、場の雰囲気を明るくするのは非常に大事ですね。
さて、スタッフとその仕事紹介についてはこの他にも、僕の見えていない所で色んな議論や判断、制作などの苦労があったはずですが、当日の運営に関わるところに限定するということでこの辺りまでにさせて頂きます。
こういう魅力的なメンバーが関わっていましたよ、ということと、彼らがどんなことを考えて実行していたのかが伝わればと思います。
次に当日ボランティアについて考えたことを書きます。
当日スタッフ
今回の当日スタッフには、助けられました。
何が足りない、こうした方がいい、これやっとくね、という提案もしてもらえるし、「これやってくれますか」→「おk」までの流れが異様に速かったし、アサインされてなくても足りないところに既にいたりと、素晴らしかったです。
話が分かる人がいっぱいいて、みんな協力する気持ちを強く持っていたということは、もっと前の段階でスタッフになってもらったほうがよかったのかもしれない、と今思っています。
コアスタッフ? 当日スタッフ?
コアスタッフと当日スタッフの境目は、時間とともに変わっていくものだと実感しました。
この境目は、言いだしっぺ(+言いだしっぺと以前から何かをやっていた人)であるか、大枠ができてから参加した人なのかという違いによってまず線が引かれてプロジェクトが進んでいきます。
言いだしっぺとなり、実際にプロジェクトを立ち上げるには、思いつく力、パワー、関わる人をアサインする力、出だしの方向性を決めるコンセプトメイキングの力などが必要です。
ゼロイチの力です。
プロジェクトが進行していくと、これが変わっていきます。
実際に当日になって誰が何を把握しているべきかということ、そのためにどの時点から打ち合わせに参加しているべきかということ(ゼロイチ後のイチヒャク)は、当初のメンバーであったかどうかにとらわれる必要はなく、後から入っても情報が全部共有されていたほうがよいケースもあるわけです。
ゼロイチ→イチヒャクを繋ぐこと
プロジェクトの始まり方と、その後のチームの姿形は、時間の進行とともに変わるので、もっと恐れずに新しいメンバーに情報を出して、参加してもらうための努力をするべきだったと今になって思います。
課題として、プロジェクトの進行にともなって、チームの姿を柔軟に変えていく必要が生まれるのですが、それを今回、十分にやることができませんでした。
これは、全てを把握しているグループに、情報がゼロである新メンバーに参加してもらう時に発生するコミュニケーションのコストを払うことができなかったということです。
新しい人を迎え入れるためには、情報と感情の共有が必要ですが、それが難しいのです。
解決方法としては、以下の2つかと思います。
一つは、リアル会議に来てもらう。その場で、現在決まっていることを大体話す。それで質疑応答→役割分担→議論みたいな形でお互いの認識を埋めていくこと。
もう一つは、躊躇わずにオンラインの会話場所に入れてしまうこと。この場合、追加された新メンバーは過去ログを辿ることになります。
前者の方法だと、人間関係や各課題の重さなど、文字にするのが難しい部分まで一気に共有できる一方、細かなところまで説明が口頭で必要で、ドキュメントがないために説明コストが上がります。あとは、リアル会議に来られなかったら中に入れない。
後者の方法は、ソーシャルに会議ができるFacebookでは割りと機能する気もします。過去ログをたどったり、読んだり呼ばれたりしてるうちにだいたいみんな分かってくるという感じができそうな気はします。ところが、ニュアンス部分は分からないデメリットがあります。
実際には上記の組み合わせとタイミングですね。
当日スタッフの人数について
人数については、考え方が色々あると思います。
人数が増えることで、一人ひとりの負担が軽減される一方、情報の共有が難しくなり、またコミュニケーションが減ってしまうために、感情的な繋がりを持てなくなります。
当日スタッフは、セッション見れない、あっちこっち予定にない担当になる、懇親会に出られないなど、色々な負担を負うことになりますので、顔を見て笑顔で話せるとかなんでも言える関係をその場で作るとか、とても大事だと思います。
商業イベントだと、過剰なくらいの人数を揃えて、潤沢に人を配置して、余っても別にいいし忙しくてもお金で解決というやり方になると思います。
これは、人の効率的な配置を考えるという運営側のコストを、過剰な人数を揃えることでできるだけ下げるという考え方と言えます。
が、今回はWordPressが好きで集まっているもの同士、いかに全員が楽しく協力できるか、しかもボランティアで、ということが大事なので、考え方が全く違います。
イベントのコンテンツを楽しむことと、イベントの運営を楽しむこと
WordCampにスタッフとして参加すると、コンテンツを楽しむことは難しいです。
セッションだけでなく、他の来場者と絡む、登壇者と話す、懇親会に参加して名刺交換する、会いたかったあの人に会う、というのも基本難しいです。
今回は、希望のセッションをあらかじめ聞いてそこを外すというオペレーションはやりましたし、ある程度伝えてましたが、ちょこちょこ手伝ってもらうというレベルではない時間を拘束しました。
たまたま見たセッションやたまたまあった人に影響を大きく受けることもありますし、WordCampのコンテンツそのものを楽しむことは、半分もできません。
この辺は、最初から割りきってアナウンスする必要があると思います。
一方で、スタッフとして参加すると、イベントの運営自体がものすごく楽しいです。
スタッフ同士は仲良くなれます。モノ作りしてる感覚があります。スタッフTシャツ着てるのが嬉しいです。
当日スタッフをお願いする側としては、そういった点を全面に出して、そこを最大化できるように告知し、集まってもらったら情報の共有や会議への参加、中心的な役割の割り振りを、できるだけ早い段階でやったほうがいいです。
今回は、いろいろ詰めてから最後のタイミングにお知らせする、という形だったので、改善の余地がおおいにあるところでした。
集め方について
今回、公式サイトで募集をしたところ、一瞬で集まりました。一晩たったらもう上限でした。
実際には、足りなくなって混乱を避けるために後から身近な人達に声をかけるということも起こりました(というか、僕が数え間違えてたのと、また、500人くらいかなと思っていたら1250人の応募という想定外で足りなくなってしまった)。
ですので、ボランティアとして参加したかったけど、その一瞬に間に合わなくて参加できなかった人も多くいたでしょうし、ここも次にやる人は工夫する必要があります。
コミュニティへの入り口にする
WordPressはソフトウェアとしても便利で楽しいですけど、コミュニティも面白いです。
WordPressのファイル群とWordPressのコミュニティはWordPressの両輪だなぁ、なんて思います。
コミュニティは、色んな勉強会が開催されているので敷居も低いです。
WordCampと普段の勉強会、オンラインでの繋がりの強化、つまりWordPressコミュニティとWordCampスタッフの間をうまく調整することが鍵になると思います。
今回初めて会ってスタッフをやっていただいた方も、「また呼んでください」といってくれているので、FacebookのグループとかMLとか何かを作ろうか、という話も出ています。
全員がボランティア/専門家/WordPressに関わる人のチーム
- 全員がボランティア
- 普段はそれぞれの専門職があって
- オープンソースのコミュニティである
という今回のような場合、どんなチームになってどうやって役割分担や協力をしあうのがいいのか、考えたことを書きます。
今回がどうだったということではなく、次回やる人の参考になればと思って個人的な考えです。
アサイン段階
技術があって、協力してくれる人がどこにいるのかを知っていて、声をかけたら「いいですよ」と言ってもらうというのはすごく大変なことですね。そういうキーパーソンが必要です。
@naokomcたちの役割が、ほんと大事なんだろうと思います。
僕の場合、いつのまにかBacklogに追加されててアレヨアレヨという間に会場係。本当にありがとうございました!
(ウラで@uetsuharaがなんか言ったらしいですねw)
役割分担
できる人に、ドカンと任せる。
その代わり、情報共有や人が足りているかの確認などを中心にケアを密にすることが必要です。
コミュニケーションツール
離れて仕事をしている人たちが空き時間に活動するので、オンラインツールが必要です。これについては別項目として書きました。
リアル会議
- 細かく会う、全員で会う。
- 打ち合わせをする、飲み会をする。
- その結果をオンラインに戻していく
どれも大事。基本会わなければ、出来ません。
リアル会議の開催が遅くなればなるほど、直前が辛くなりますし、意思の疎通が難しくなると思います。
お互いのスキルに関するリスペクトと説明
初めて一緒に仕事をするケースでは、相手に対するリスペクトが必要になります。一方でリスペクトを得るための説明技術も必要だと感じました。
また、困っていることがあったら早めにアラートを出せるような雰囲気もありがたかったです。誰か助けて><って言うとみんな反応してくれて、作業もしてくれるとかそういうことが、困っている人を助けます。
議論と意思決定
最終的に意思決定をする項目と人を明確にする。お金周りとか。
今回、僕は会場の設営に関しては早い段階で決定権をもらいましたが、これがけっこう大事でした。
お金が関わるところ、コンセプトに影響がありそうなところ、なんかリスクがありそうなところに関して以外は、自分で決めていいというのは、作業を進める上で安心感がありました。
僕のスタイルとしては、トピックを思いつく→プランの雛形を作ってみんなに提出→意見をもらったり指摘を受ける→雛形を変えていく→以後繰り返し&別トピックを思いつく、という感じだったのですが、いわゆる「意思決定」という大げさな感じではなく、小さなキメの問題がたくさんありましたので、そういう時にいちいち聞かないとダメとなると、やりきれなくなります。
責任感も生まれますしね。
リーダー層の役割
そうなってくると、トップの役割としては、進捗を見つつ上がってきた課題に関して、それぞれの担当者にある程度任せつつ、決まり切らないところは理由を述べつつ最終判断をうまいこと下す、自然には上がってこない課題を上げる、ということになり、これだけで忙しくなるので、やっぱり自分の担当分野を持つということはなくなります。
ほんと、チームビルディング屋さんとなっていくのだろうと思いました。
以上、なんか当たり前の事になってしまいましたが、普段は一緒に仕事をしない人が集まって活動をする時のことについて、かかせていただきました。
とはいえ、僕も普段は一人で仕事してますし、企業に属したことがないので、この辺あんまりよくわかってないですね。
オンライン会議ツールFacebook、Backlog、GoogleDocs、Cacoo、メーリングリストについて
ここからは、パラパラと色んなトピックを上げていきます。
今回は、
- コアスタッフではFacebookに秘密のグループが会話場所
- 進捗管理にはBacklog
- ドキュメントはBacklogのwikiとファイル保管場所
- GoogleDocumentsで共有
- 会場の設計図やネットワーク図はCacooで作成
という感じでした。
僕にとって一番便利に力を貸してくれたツールは、Facebookでした。その理由は、
- みんな常にログインしてる=WordCampためだけに特定のウェブサービスにログインしてもらうのって辛い。更新通知あるし
- グループ内検索が便利
- 呼び出し機能(タグ付け)が素晴らしい。(あ、これはこの人に聞こう、という時にタグ付けするだけで、これまでの文脈込みで読んでもらえる)
- いいね!がいいね!(モチベーションUPはもちろん、面倒になったらとりあいずいいね押して終わりっていうのはホント、コミュニケーションを円滑にします)
また、打ち合わせをFacebookのイベントで募集すると、そこに掲示板が出来上がるのが素晴らしいです。(デフォルトで予定合わせツールが入るとさらに完璧なんだけどな)
Facebookの難点としては、
- 時系列がごちゃごちゃに
- ステータスの管理ができないので、ほっとくと流れて無かったことに
- スレッドのパーマリンクがない?(あるの?あるならどうやって取得するの?)
といった辺りです。プロジェクト管理じゃなく、打ち合わせ場所って感じでした。そもそも、そのために出来てないので仕方ないですが。。
Backlog
ステータス管理はBacklogです。
「あ、あれやらなきゃ」と思ったら課題を上げておく。みんながコメントしてくれる。「対応中」ステータスのままになって後から発見しやすいので、ちゃんと管理ができます。
使い方に慣れたら、ちゃんと運用ルールを作ってビシッと使ってみたいです。
GoogleDocuments
GoogleDocsは、
- 当日の全体のスケジュール表(いつどこで何が起こり、スタッフが各所に何人いるべきなのかが網羅的に書いてある)
- 役割時間割表(全員の名前と時間ごとにどこにいるかが載っている)
- 連絡網(スプレッドシート共有して電話番号書き込んだ)
を作成しました。
常に共有されているので、ファイル名でバージョン管理とかなくて効率的。
GoogleDocsで作ろうと思ってやってなかった備品リスト(Backlogには一応あった)はやっぱり最終的に忘れられて(というか僕が忘れて)、当日無かったものがありました。
(全部を横断的に見てくれる備品係をアサインするべきでした。反省。)
Cacoo
Cacooは楽天さんに頂いた会場の図面を下敷きにして、椅子やパーテーション、スポンサーブースなどを描き込み、設計図を作りました。それをさらに下敷きにして、ネットワークチームが配線図を描くなど、便利でした。
最後、プリントアウトして会場に持っていって、みんなに配れて最高です。
他に、Skypeを使っていた面子もいましたが、僕は使ってませんでした。
インカムの運用
電池切れました。よくしゃべる人のものが切れました。
8台ありましたが、もっとたくさんのメンバーに持ってもらったほうがよかったことも考えると、15台あってもよい感じでした。途中充電は無理ですね。2階と8階で話せるものだったのでちょっと高かった。
あと、ボタンを押してから1秒待って、自分のいる場所と名前を言ってから要件を言うみたいなルールが必要でした。
当日の集合時間と全体MTG
早めに集まったほうがいいです。時間が余ってもいいくらいです。
今回は前日に設営がほぼ終わったこともあり、9時15分受付開始のところ、コアスタッフ7時半、当日スタッフ8時としましたが、やっぱりバタバタしました。
- 全体MTG10分:全体に周知すべきこと
- グループMTG10分:配置に分かれて確認する時間
- 個別MTG5分:個人間連絡
- バッファ5分
がやれると完璧なんですが、朝早いとその分疲れるので考えどころです。
お弁当
余っちゃいました。
事前申込み+スタッフ+バッファで用意したものの、事前に申し込みをされた方に80人ほどのキャンセルが出たようです。
「予定にはなかった当日販売」→「あんまり売れない」→「無料にする」という段階を踏みました。みんなお昼を食べ終わった時間に判断したので、結局50個くらいは廃棄になりました。
お弁当のスペックが高く、弁当箱回収型のものだったため午後3時の業者さん回収が期限ということが影響しました。スタッフの夕食に使えなかったので、今後変えたほうがいいかも。
http://twitter.com/#!/sou_lab/status/140659887586811904懇親会
@uetsuharaくん、お願いしますm(_ _)m。
会場設営と撤収
今回は、椅子を全部並べる、パーテーションの設置、ネットワーク/UST、受付が複雑という条件だったので、前日いっぱいやって当日の朝は調整という形でした。
大学などとは違うので、今後には直接生きませんが一応。
@kai4den が設計や発注、設置の仕切りをしていた、各会場を分けるパーテーション。
今回はだだっ広い会場に、椅子を並べ直して会場間はパーテーションで仕切りました。音漏れ、移動、設置と撤収のコストを下げることを考えながら設営してもらいました。
椅子の数が調整できることで、各会場の来場予想に合わせて設計したり、後から椅子を追加できるのがよかったです(とはいえ全体の人数が800人超えなので、結局溢れましたが)。
それと、今回の会場はひとつの大きな場所を緩やかにパーテーションで仕切るという形だったので、会場全体の一体感があったな、という感想です。最初から教室などに分かれている場合に比べて、運営の難易度が上がってしまいますが、その代わりに一体感というメリットがあるのは当日の発見。
撤収は、終わったところから順次片付けていくことで、完了時刻を前倒しできました。
当日の参加者に手伝ってもらうという予定もありましたが、人数が増えてくると来場者全体に対して複数のメッセージを伝えるのは無理でした。シンプルに「上に行ってください」「待ってください」しか言えなくなるので、これまでのCampや大きめのBenchでは実施していたようでしたが、今回は断念でした。
スクリーン、音響
スクリーンとプロジェクタについては、事前に遠くの方からでも見えるかどうかを下見で確認して、文字の大きさの最低ラインの級数を確認して、スピーカーにお伝えする、というのをやりました。それでもいちばん後ろは辛かったみたいです。
お金と余裕があれば、会場の真ん中らへんにもプロジェクタがあるといいのですが、配線や場所の確保など考えると、最初からそういう施設があるところでないと難しいですね。
音響については、楽天さんの会場に備え付けのものを全体放送のために使い、各セッション会場には持ち込みのPAセット、としました。
全体放送ができるのは非常に有効で、これがない場合、各会場の司会者にインカムなどで伝えて放送してもらうという伝言ゲームが発生してしまいます。事前の台本にない放送が増えるはずなので、これは無理です。
ただ、デザイナートラックのセッションが進行中なのに、「お弁当余っちゃったので買ってください><」という放送を流してしまうというミスが起きました。こもりさんとそのセッションの参加者の方々、ゴメンナサイ><。
交流スペースと参加者交流のデザイン
7階のスポンサーブースとチケット交換所の間に机と椅子を置いて、休憩したり、登壇直後の講演者に来てもらって歓談してもらう構成としましたが、ちゃんと機能しきったかというと微妙でした。狭かったです。
また、アンカンファレンスの時間が足りなかった、ずっとやってるスペースもほしいという意見も聞きます。
さらに、ランチの際には、@kai4denが用意した交流を助けるための話題提供ペライチを作成して、8階のカフェテリアのテーブルに置いておきました。が、こちらも席が一瞬で一杯になり、余裕のない状態で活かしきれなかったと思っています。
一時、テーマ別にテーブルを分けて、自分の興味のある場所に座ってもらうというアンカンファレンスランチという話もありましたが、実際にやっていたらランチ会場はさらなる混乱に陥っていたと思うので、これも無理でした。
となると、やはりランチ以外の時間にアンカンファレンスをやっている場所を作り、そこにモデレーターを置く、という構成が必要だと感じました。
スタッフ・講演者以外に、次回以降はモデレーターを配置して、本格的に運用していくのがいいかな、と提案します。もう空き時間や片手間に、というのでは足りなくなってきていると思いますので。
まとめ
だいたい書ききったと思います。
最後まで読んでくれた方はどのくらいいるでしょうかw
次回以降のCampで運営をする人の参考になるドキュメント的な位置づけかな?
ここまで辿りついた方は、@shinichinまでお知らせして頂けると、喜びます。
今回、スタッフとして参加させていただいて、本当に楽しかったです。普段、大人数で仕事をする機会もないですし、ワイワイとレベルの高い文化祭という感じで、毎日テンション高くやれて大喜びしています。仲良くなれて、嬉しいです。ほんとアラが多い会場係でしたが、随所でたくさんフォローしていただいて、感謝です。温かかった!
楽天チームの皆さん、知らないところでいっぱい働いてくれてありがとうございましたm(_ _)m。みなさんがいなかったら大変なことに(^_^;)
当日スタッフにも、当日になって色々追加でお願いしてすみませんでした。みなさんと一緒にやれてほんとによかったです。またやりたいですよね。今度はもっとコアに関わってくれますねw
来場者された方、来ていただけて、どうもありがとうございます。WordPressのコミュニティが広がっていくことを実感できる場面に、一緒の場所にいられてうれしかったです。また感想をたくさん書いてくれて、ひとつひとつじっくり読ませて頂きました。これからも、ユーザー/ブロガー、デザイナー、テクニシャンとして、WordPressをみんなで盛り上げて行きましょう!僕もがんばります。
僕が今回、参加しようと思ったのは、これまでWordCamp横浜、色んなWordBench勉強会、WordBeach、WordCamp神戸などのリアルイベントに参加させていただいたり、
Twitterやフォーラム、蓄積されたブログ記事などで色々教えていただいた、@jim0912、@wokamoto、@odyssey、@hiromasa、@hissyNC、@lilyfanjp、@miya0001、@kzxtreme、@onocom、@shokun0803、@understandard、@horike37たち(他にもいっぱいいます)に助けてもらい続けてきたので、WordPressコミュニティへの貢献をしたかったからです。(結局、楽しませてもらったのでアレですがw)。
WordPressのコミュニティ、超楽しいですね。これからもよろしくお願いします。
最後に、ここのところ休日になるとうれしそうに出かけていく僕を見送りつつ、ずっと留守番をしてくれていた娘と3月に生まれてくる赤ちゃん、そして妻にありがとう!
しばらく西川家のパパに戻りますね。
コメント
コメント一覧 (4件)
[…] ということについて反省がかなり出ましたので、自分のケースを振り返ってみたいと思います。(反省点については、「WordCampTokyoの運営もオープンソースにする」にまとめています。) […]
[…] @shinichiN WordCampTokyoの運営もオープンソースにする @daipresents WordCamp Tokyo 2011 スタッフの歌声よ響け!、 […]
[…] ボランティアって、具体的に何やるの?という方には、WordCampTokyoの運営もオープンソースにするという去年の運営についての記事をご覧いただくとよいかもしれません。 WordCampTokyo2012 […]
[…] 僕自身は、2010年のWordCamp横浜が初参加、昨年のWordCamp東京2011ではスタッフとして参加しました(参考:WordCampTokyoの運営もオープンソースにするという昨年書いた記事です。長いよ。)。 […]